コラム

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春の養生

2024/03/25

春めいてきて、随分と日が延びてきました。今回は春の養生についてお話ししたいと思います。

春は立春から立夏までの三か月間、中医学では陰消陽長という言葉で表されます。

春の気候は風の邪気である風邪(ふうじゃ)で、陽に属します。軽くてよく飛び舞い上がる性質がある事から、上半身を傷つけやすく、頭痛やめまい、鼻つまりや目の充血、軽い咳や喉の痛みなどがみられやすくなります。

また邪気があちらこちらに移動する性質もあり、痒みや痺れなどの症状がみられます。症状も変化しやすく、風邪(かぜ)から肺炎や気管支炎に変化する事もあります。

春にはびこる風邪(ふうじゃ)ですが、一年中他の邪気と共に侵入するのも特徴の一つです。春の時期は肝の働きが活発になるので、肝を養うと良いとされています。

肝の働きが良くないと、不眠やうつ状態、イライラや怒りなど情緒の不安定な症状が出やすくなります。そして肝は脾の働きも助けるため、肝が健やかでないと食欲不振や疲れ、無気力になりやすくなります。

肝は他にも蔵血(血液を貯蔵する働きと血量を調節する働き)を司っています。肝は伸びやかなことを好み、気の上昇や全身の気の働きを司っているため、ゆったりリラックスした生活を心掛ける事が大切です。

春の食養生は、肝の気を調えるとともに、脾を養うようにしましょう。

ここで、手にはいりやすい食材を幾つかご紹介します。

(冬から早春)

 ・身体を温め、発汗作用で体内の熱を出す食材

   葱、生姜、紫蘇、パクチー

(春)

 ・肝の興奮をしずめ、目の充血やのぼせに効果の期待出来る食材

   白菜、トマト、きゅうり、せり、セロリ、豆腐

 ・気を補い、脾の働きを健やかにする食材

   米、小麦、かぼちゃ、いんげん、長芋、しいたけ

 ・血を養い陰を補う食材

   胡麻、ほうれん草、いか、豚レバー、鶏レバー、人参、落花生、牡蠣、ムール貝

この他にも肝と表裏関係にある胆を養い、冬の五色である青い食材等を積極的に摂り、春を美味しく乗り切りましょう!

 ・青い食材

  菜の花、ほうれん草、スナップエンドウ、いんげんなど

(椎茸のネギ味噌マヨネーズ焼き)

(スナップエンドウと桜エビのスクランブルエッグ)

(菜の花のおひたし)

 

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